狐クロニクル 第一話


ある日、俺は狐と住む事になってしまった。
どうすればいいんだ……。

01/08
とあるアパートの一室
09:12
「……えーッと…………」
〔……どうも。今日からここに済ませともらう事にします〕
「いや待て」
〔あ、私の名前はさきはら つねり。感じは咲原 水事音理です〕
長。
〔適当に呼んでください。さき、とか〕
「うん俺は流されねえよ?」
〔…………〕
「とりあえず、三つほど聞いて良いか?」
〔駄目です〕
「断る。ここは俺の城だ。小せェけどな。
とりあえず座ッてろ。茶ァ出してやる」
〔っ……じゃあ聞かなくて良かったのでは?〕
「くはッ! そら正論だァな。ま、座ッてろや」
数分後
〔……苦〕
「くは、そらァそうだ。……ん、緑茶飲んだ事無かッたか?」
〔……緑茶〕
「そォ。緑茶。……あれか? 《緑茶》知らねえのか?」
〔ええ、まあ〕
「あー、あとよ。嬢ちャん……じャねェか。みーさんよ、取り敢えず隠してる銃こッちに渡してくんねェかな?」
〔ッ…………!? ……どう、して?〕
「ん、あー、あれよ。《殺人鬼》だからよォ」
〔ッ!〕
「そう構えなさんな。こちとらお前を襲う気ァねえよ。……聞きたい事を聞いたらな」
〔……で、その三つとは?〕
カチャ
「……ん? なに、俺今脅されてんの?」
〔よかった、それぐらいは分かるんですね〕
「くははッ! おもしれェや、初めてだな。こんな状況は。……おもしれェ!」
〔っ……で?〕
「ん、あァ。
1・お前はどッから来た?
2・お前は何だ?
以上」
〔……? どうして二つなんですか?〕
「そら、一つは名前だったからな」
〔ああ……。それで、質問ですね。
1・言えません
2・言えません
これで良いでしょう?〕
「…………あ?」
〔さ、答えましたよ〕
「てめェふざけてんのか? キッチリカッチリ答えやがれ狐女ァ」
〔……いたって真面目ですよ?〕
「……じァあ、一つだけ誤魔化さず答えろ」
〔いy〕
「答えろッてんだよ!!」
〔ひ……!?〕
「……いいな? 俺ァ今ブチギレ寸前だァ。……質問・その耳と尻尾はなんだ?」
〔…………答え・狐の尻尾と耳です……駄目ですか?〕
「……はァ。どうやら本当にそうとしか答えられねェようだな。ッたく、嘘なら殺せたのによォ……」
〔え!? どうして?〕
「あ? 何がどうしてだ?」
〔いや、その……。嘘を、見抜けるのか? と……〕
「……おォ。産まれてこの方俺に嘘を突き通したやつは居ねェよ。……突き通したと思ッてるやつァ居るがな」
〔……〕
「ちなみにナイフの腕も産まれ付きで最凶だ」
ずっ……
〔っえ!? なんで……!?〕
ごとっ……
「悪ィな、流石に銃を突き付けられてるのは怖ェから斬らせてもらった」
〔……《殺人鬼》なのに銃が怖いんですね〕
「当たり前だろォが。俺は一般人なの」
〔…………あの〕
「なんだァ?」
〔手伝ってください!〕
「……は?」
〔……見ず知らずの狐に頼まれて……多分いやだとは思いますが……〕
「俺に頼み事がしてェならその口調を元に戻せ。そのせいでさッきからむず痒いんだよ」
〔……それすらも、お見とうしか……。ええ、分かりました。
じゃあ、内容だけど――〕

っつー訳でなんか狐女から依頼を受ける事になったが……。
《とある場所》から逃げてきて、そこに居る《敵》から追われている。
匿ってくれ。
そして《とある場所》を破壊してくれ。
っつーまあ面倒くさい依頼だ。
…………まあ、楽しそうではある、な。
だが依頼を聞いてる時に質問はしてみたが2番の質問だけには答えてくれなかったな……。
……ま、やってやるさ。全壊してやるとしますか。全てを。







<